長野県木曽地域で生産される無塩の乳酸発酵漬物「すんき漬け」とは異なります。
すぐき漬
100 gあたりの栄養価
エネルギー142 kJ (34 kcal)
炭水化物6.1
食物繊維5.2
脂肪0.7
飽和脂肪酸(0.08)
一価不飽和(0.05)
多価不飽和(0.36)
タンパク質2.6
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(31%) 250 μg(28%)3000 μg
チアミン (B1)(10%) 0.12 mg
リボフラビン (B2)(9%) 0.11 mg
ナイアシン (B3)(9%) 1.3 mg
パントテン酸 (B5)(5%) 0.24 mg
ビタミンB6(10%) 0.13 mg
葉酸 (B9)(28%) 110 μg
ビタミンB12(0%) (0) μg
ビタミンC(42%) 35 mg
ビタミンD(0%) (0) μg
ビタミンE(15%) 2.2 mg
ビタミンK(257%) 270 μg
ミネラル
ナトリウム(58%) 870 mg
カリウム(8%) 390 mg
カルシウム(13%) 130 mg
マグネシウム(7%) 25 mg
リン(11%) 76 mg
鉄分(7%) 0.9 mg
亜鉛(4%) 0.4 mg
銅(4%) 0.08 mg
マンガン(4%) 0.09 mg
他の成分
水分87.4
単位
μg = マイクログラム (英語版)
すぐき(酸茎)、またはすぐき漬(すぐきづけ)は、京都市の伝統的な漬物(京漬物)の一つ。カブ(学名:Brassica rapa var. rapa)の変種であるスグキナ(酸茎菜、学名:Brassica rapa var. neosuguki[2])を原材料とする。現代の日本では数少ない本格的な乳酸発酵漬物で[3]、澄んだ酸味が特徴である。「柴漬」「千枚漬」と合わせて京都の三大漬物と呼ばれている[4]。
歴史すぐきと関わりが深い上賀茂神社
スグキナ栽培の始まりは諸説あるが、安土桃山時代の頃とされている。上賀茂神社の社家が、鴨川に自生していたものを持ち帰り、廷内に栽植したところ社家間で栽培が広まったという説や、朝廷から種子を授かった説などがある[4][5]。以来、上賀茂の深泥池周辺の限られた地域で栽培が行われ[5]、1804年(文化元年)に出された『就御書口上書』によって、他村への種子の持ち出しが禁じられてきた[4][6]。
当初より漬物としてつくられ、献上品として貴顕の間で広まった。その希少性と独特の風味が相まって、数ある漬物のなかでも別格の扱いであったとされている[5]。
長らく生産が限られていたが、明治になってようやく、一般へも普及し始めた。これは、1891年(明治26年)に起こった深泥池地区の大火災からの復興のために、その周辺ですぐき販売を始めたらといわれている[5]。
また、明治末期から大正にかけて製法が改良されたことに加え、第一次世界大戦後の好況により、販売が急速に拡大した[5]。
製法については、塩漬けにして乳酸発酵させる点は変わっていないが、発酵の手法には改良が重ねられてきた。明治末期に漬け置き期間短縮のために樽を稲藁で包んで保温するようになり、そこからさらに保温を効率化するための「室(むろ)」が、1912年(大正元年)に初めて建設された。これに伴い漬け方も変化し、漬け方の過程が「荒漬」と「本漬」の二過程に分かれた[5]。こうした変化により、冬に収穫して漬け始め、春から夏にかけて完成していたものが、わずか半月ほどで出来上がるようになった[4]。 スグキナには乳酸菌や嫌気性生物はわずかしか検出されず、むしろ土壌細菌や腐敗に関与するグラム陰性菌大腸菌が多く検出される。
製法